Japanese English
トップ > 研究紹介 > 3. 河川生態系を工学から理解する > 3.3. 河川生態班について >

3.3.1. 河川生態班の活動方針(指導教員より)

かつて、自然の力で形成された地形の上を、川はあるがままの姿で流れており、人々の暮らしも又、川との密接な関わりの中で築かれてきていました。 従って、地域が変われば、当然地形・地質条件も異なり、結果として川の姿や人々の暮らしにも地域ごとの個性があるはずです。

しかし、近年生活が豊かになり、洪水被害が減少する一方で、こうした地域ごとの個性も失われ、どこの川に行っても、どこの村に行っても同じような景観が見られるようになってきました。

そこで、なんとかして地域ごとの個性を有する河川・流域を再生したいというのが、河川生態班の思いであります。 こうした目標を達成すべく、学生達と共にできるだけ多くの河川流域を訪れ、現場を見る目を養いつつ、そこに見られる現象を理解し、解決策を提案するために必要な知識を得るため、学生も教員も一丸となって勉強・研究を進めております。 従って、誰の研究対象であれ、全学生で一緒に現地を訪れ、その場で議論します。

ただし、何より大事なのは、各学生が面白いと思えることに夢中になり、自ら研究を進めて、力を発揮してもらうことにあります。 従って、上述した問題意識を持ちつつも、あまり有用性にとらわれることなく、とにかく愛着を持てる研究対象を見つけ、それについてはプロ意識を持てるまで徹底的に研究してもらいたいと思っています。

こうした活動を通して、一生つきあえる仲間を作りグループ作業の重要性を学ぶと共に、将来、河川分野以外のいかなる道に進んだとしても、必ず必要となる観察力・考察力・説明力を身につけてもらいたいと考えています。 そのため、教員と学生、先輩と後輩、同級生同士が議論する時間は十分に取り、個人個人の特徴・癖を自他共に把握しつつ、より力を伸ばす方法を考える努力をしています。

知花武佳
指導教員 知花武佳