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1. 水循環の変動性を理解する

研究 1

1. 水循環の変動性を理解する

2. 水資源として有効に活用する

3. 河川生態系を工学から理解する

4. 人と水環境の合意を目指す


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1.1. 具体的な研究

1.1.1. リモートセンシング

1.1.2. 気候変動研究

1.1.3. データ統合化研究

1.2. 背景

世界各地で水不足、洪水被害の増大、水質汚染などの水問題が発生しており、これらに起因する食糧難、伝染病の発生など、その影響は開発途上国においてますます拡大している。 この原因には、急激な人口増加による水需要の増大や、都市開発、産業発展などの社会的要因に加えて、水循環の変動性が大きいという自然要因が挙げられる。 そこで、世界的な水危機回避の方策のひとつとして、水循環変動の予測精度の向上が求められている。 水循環変動の予測にはまず第一に、変動のメカニズムの正確な理解が必要である。 そのためには、局所的-地球規模のスケールを網羅する高度な水循環情報を得なければならない。 そこで、水循環を詳細に観測する地上観測ネットワークの構築と、人工衛星による水循環変動の観測手法を開発が求められている。 これらの統合的な観測結果をもとに、水循環の変動メカニズムを解明し、それをもとに将来を予測できる数値予測モデルの開発、高度化が次の課題となる。 そこで我々は、国際協力の下に水循環に関する現地観測研究グループ、衛星機関、気象機関の相互調整を図って、局所的-地域規模-地球規模の水循環強化観測と水循環変動予測の共同研究を進めている。

1.3. 特徴

1.3.1. 『水惑星』地球の気候変動の定量的理解

地球表面には莫大な量の水が存在し、水がもつ物質としての特殊性が地球の環境形成に深く関わっている。 気候変動を理解し予測するために、地球規模の水循環の変動性を理解し、予測のための数値予測モデルの開発研究を進めている。

1.3.2. 物理過程の時空間的連結性を踏まえた統合的アプローチ

従来の利水および治水計画では、長年に亘って当該地域で蓄積された降水量データをもとに計画基準値を設定してきた。 このような確率的アプローチの限界を踏まえ水循環の変動性に注目して、大気運動と海流によって物理的に連結されている水循環システムの広域性を踏まえた地点から地球規模の統合的アプローチを目指している。

1.3.3. 水循環インフォマティクスの研究・技術開発

数百テラバイトにのぼる膨大で多様な水循環データを統合化し、それを高度に利用して地球水循環変動の観測・解析的研究、モデリング研究を進めるには、膨大で多様なデータのアーカイブシステムと解析システムを開発しなければならない。 データベースおよびネットワーク技術など最新の情報通信技術(IT)分野や地理情報システム(GIS)分野の研究者との共同研究により、水循環インフォマティクスに取り組んでいる。